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愛媛の「そこじゃない」をツーリング

原子力ブームの夢の跡 ウラン鉱山白岩鉱山跡(今治市波方町)

1950年代の原子力ブームの頃、日本各地でウラン鉱の採掘が行われたが、中でも岡山と鳥取の県境にある人形峠は、日本有数の産地として知られている。

愛媛県でも、今治市波方(なみかた)にあった白岩鉱山で、昭和33年頃まで「波方(はがた)石」と呼ばれるウラン鉱を採掘していたらしい。

地域名は「なみかた」で、石の名前は「はがた」と呼ぶのでちょっとややこしいが、元々波方町は「はがた」と呼んでいたらしく、近くにある伯方(はかた)島との混同を避けるため、「なみかた」と呼ぶようにしたらしい。

閑話休題、、、

ということで、正直、鉱物について知識を全く持ち合わせていないが、「ウラン」とか「鉱山」という言葉の雰囲気と、それが愛媛の波方にあったということを知り、居ても立っても居られずバイクで訪れてみることにした。

白岩鉱山は波方の馬刀潟(まてがた)という地区にあるが、「馬刀潟」はパッと見では正直読めない。その地名の由来は、そこでマテ貝が多く採れたから、とかマテ貝のような形をした砂浜だったから、ということのようだ。

(余談だが、マテ貝は地元のスーパー等で良く売られており、非常に美味である)

白岩鉱山は馬刀潟地区から西に少し外れた場所にあり、地区の中心にある造船所のクレーンを横目に、西へと続く小路を暫く走り続けることで辿り着くことができる。

鉱山前には、不明瞭ながらも鉱山跡であることを解説した看板が立てられており、その看板には「波方石採掘場」と書かれているた注意していればすぐに見つけることができる。

ただし、正直ここが鉱山跡だったという説明がない限り、ただの薄気味悪い沼でしかないような見た目であり、目立つ不法投棄がその不気味さを一層際立たさせている。

直感が「ここはあまりよくない場所だ」、と教えてくれているような気がする場所だ。

それでもよく目を凝らすと、坑口と思しき横穴や、採掘の際に不要な石を積み上げたズリらしきものも見ることができる。(詳しい方のHPによれば、この穴は換気口とのこと)

さらに、鉱山跡の目の前にある石だらけの海岸も、ここで選鉱していた名残であるらしい。

 白岩鉱山は、我々がイメージする鉱山のイメージとは随分かけ離れているが、それでも原子力ブームの最中、ウランを求めて採掘してた痕跡が残っているという、非常に貴重な場所であると思う。

 

ちなみに鉱山跡は、ガイガーカウンター放射線量を測ると今でも通常の数倍以上の高い線量が測定されるそうだ。

(やはり、勘というものは案外当てになるものだな、と思う)

 

youtu.be

参考HP

愛媛の鉱山跡

三津ヶ浜のげんたろう(その1)

2019 愛媛県今治市波方町馬刀潟ペグマタイト

今治西部地質調査総合センター

変種ジルコン

角川日本地名大辞典38愛媛県