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愛媛の「そこじゃない」をツーリング

今治ラヂウム温泉 今治建物探訪ツーリング

愛媛県今治市

愛媛県で2番目の人口規模を誇るこの町は、本州と四国を結ぶしまなみ海道の四国側の玄関口であり、タオルや造船等、製造業が盛んな街として知られている。

そんな今治市は、何故か面白い建物が多いのだ。

今治は、日本を代表する建築家の丹下健三氏が育った街だったりするので、このことが関係しているかもしれない(たぶん、というか絶対関係ない)

今回はそんな建物中でも、2016年に国の登録有形文化財に指定された「今治ラヂウム温泉」を訪れてみた。 

今治ラヂウム温泉は、1919年に開業し2014年に休館するまで約100年の間、地域住民に親しまれた温泉である。

歴史もさることながら、特筆すべきは洋館風の建物とドーム状の建物が組み合わされた、特徴的なその外観にある。

温泉は閉館しているため中を見ることはできないが、外観に負けず劣らず素晴らしかったようである。(ネットのあちこちに写真が掲載されている)

 

今となっては外観を眺めることしかできないが、それでもこの個性的なデザインは一見の価値があるように思う。

なお、現在は閉館しているが、時折見学会を開いているらしいので、興味のある方は後述している温泉のフェイスブック等で確認してほしい。

今回のメインは今治ラヂウム温泉であったが、それ以外にも丹下健三氏が設計した今治市役所庁舎と公会堂、愛媛信用金庫今治支店(旧今治信用金庫本店)の他、天守閣があるマンション等も動画中で紹介している。

 

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ja.wikipedia.org

 

フェイスブック公式アカウント

https://www.facebook.com/Imabari.radium/

 

 

塔の峰 来島海峡を望む展望台

来島海峡を望める展望台といえば、真っ先に思い浮かぶのが糸山展望台。

休日になれば多くの人々で賑わう人気スポットとなっている。

勿論、私自身も何度となく訪れたことのある場所であり、確かに景色の美しい場所である。

アクセスも至極良い。

しかし、波方半島には、糸山展望台以外にも海峡を望むことができる展望台があるのをご存じだろうか。

その展望台は、「塔の峰」と呼ばれる、標高150mの山の山頂にある。

かつて、この塔の峰には高縄半島の北の要として城が築かれていたらしく、山頂には水軍で有名な来島家ゆかりの祠も存在している。

現在は、展望台周りが公園として整備されており、綺麗なトイレもある。

ベンチや机もあるので、ちょっとしたピクニックにも最適な場所だと思う。

さらに、展望台自体も数年前に代替されているようで大変美しい。

展望台からの眺望は、少し木々に遮られている感はあるが、それでも来島海峡とそこを行き交う船を眺めることができる。

(おそらく冬に行けばより見渡せるのではないかと思う)

展望台を示す看板が控えめであったり、道も決して広くはなかったりと分かりづらいが、その分訪れる人は少ないので、静かに時を過ごすには最適な場所だと思う。

 

 

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高縄山スケート場跡 標高840m、愛媛県初屋外マンモススケート場跡

昭和38年(1963年)に、愛媛県下初の屋外マンモススケート場が誕生した。

そのスケート場は、なんと高縄山の山頂付近にあったようなので、バイクで訪れてみることにした。

高縄山は標高986mの山で、愛媛県の中央部から北に突出している高縄半島の名の由来となっている山。(ただし、高縄半島の最高峰は東三方ヶ森の1,233m)

中世には河野氏の守りの要として山頂に高縄山城があり、豊臣秀吉四国征伐の際、小早川隆景によって攻め滅ぼされ廃城となった、歴史ある場所でもあるのだ。

そんな高縄山への車・バイクからのアクセスは次の3ルートがある。

ちなみに、どのルートを選んでも20~30分程度で山頂に到着する。

①西側の横谷地区から県道178号線で登るルート

②東側の九川地区から県道178号線で登るルート

③北側の米之野地区から林道宝坂谷線で登るルート

車やバイクで登りやすいのは①、②ルート、やはり県道というだけはある。

③は、今回のスケート場跡に行くには最短ルートであり、事実スケート場が営業していた頃もこのルートから登っていたようだが、道の状態は一番悪い。

このあたりも流石林道といったところか。

今回は①のルートから登って行ったが、どのルートも、特に③で行くなら身軽なバイクで行くことをお勧めする。

今回は山頂が目的ではないが、山頂には北条、松山、今治が望める展望台があり、そこからの景色は非常に美しい。

話がだいぶ逸れてしまったが、スケート場跡は山頂から宝坂谷林道を少し下った標高840m付近にある。

林道を少し下ると、「高縄山総合作業施設」という施設があり、すぐ横には駐車場、のような場所がある。

草木が生い茂る中、錆びた手摺と所々ひび割れ、間から植物が生えているコンクリートが敷かれた広場。

そう、この場所こそが高縄山のスケート場跡なのだ。

営業開始から半世紀がたつ今でも、その面影をほぼ完全な姿で留めている奇跡。

人々がスケートに興じていた姿を思い浮かべながら、暫し物思いにふけるのであった。

スケート場は昭和38年からいつ頃まで営業していたのか正直定かではないが、少なくとも昭和56年に発行された地名辞典にはスケート場がある、と書かれているので、その頃までは営業していたのかもしれない。

料金は1時間50円、中学生以下は30円。氷が張らない時はローラースケートが出来ていたそうだ。

さらに、近くにはスキー場もあったらしい。

今よりずっと道路事情の悪い時代に、こんな山奥にスケート場があったこと自体が驚きなのだが、むしろそのおかげで今でもその当時の姿を留めていることに繋がっているのかもしれない。

願わくはこれからもこのままの姿で残り続けて欲しいと思う次第である。 

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原子力ブームの夢の跡 ウラン鉱山白岩鉱山跡(今治市波方町)

1950年代の原子力ブームの頃、日本各地でウラン鉱の採掘が行われたが、中でも岡山と鳥取の県境にある人形峠は、日本有数の産地として知られている。

愛媛県でも、今治市波方(なみかた)にあった白岩鉱山で、昭和33年頃まで「波方(はがた)石」と呼ばれるウラン鉱を採掘していたらしい。

地域名は「なみかた」で、石の名前は「はがた」と呼ぶのでちょっとややこしいが、元々波方町は「はがた」と呼んでいたらしく、近くにある伯方(はかた)島との混同を避けるため、「なみかた」と呼ぶようにしたらしい。

閑話休題、、、

ということで、正直、鉱物について知識を全く持ち合わせていないが、「ウラン」とか「鉱山」という言葉の雰囲気と、それが愛媛の波方にあったということを知り、居ても立っても居られずバイクで訪れてみることにした。

白岩鉱山は波方の馬刀潟(まてがた)という地区にあるが、「馬刀潟」はパッと見では正直読めない。その地名の由来は、そこでマテ貝が多く採れたから、とかマテ貝のような形をした砂浜だったから、ということのようだ。

(余談だが、マテ貝は地元のスーパー等で良く売られており、非常に美味である)

白岩鉱山は馬刀潟地区から西に少し外れた場所にあり、地区の中心にある造船所のクレーンを横目に、西へと続く小路を暫く走り続けることで辿り着くことができる。

鉱山前には、不明瞭ながらも鉱山跡であることを解説した看板が立てられており、その看板には「波方石採掘場」と書かれているた注意していればすぐに見つけることができる。

ただし、正直ここが鉱山跡だったという説明がない限り、ただの薄気味悪い沼でしかないような見た目であり、目立つ不法投棄がその不気味さを一層際立たさせている。

直感が「ここはあまりよくない場所だ」、と教えてくれているような気がする場所だ。

それでもよく目を凝らすと、坑口と思しき横穴や、採掘の際に不要な石を積み上げたズリらしきものも見ることができる。(詳しい方のHPによれば、この穴は換気口とのこと)

さらに、鉱山跡の目の前にある石だらけの海岸も、ここで選鉱していた名残であるらしい。

 白岩鉱山は、我々がイメージする鉱山のイメージとは随分かけ離れているが、それでも原子力ブームの最中、ウランを求めて採掘してた痕跡が残っているという、非常に貴重な場所であると思う。

 

ちなみに鉱山跡は、ガイガーカウンター放射線量を測ると今でも通常の数倍以上の高い線量が測定されるそうだ。

(やはり、勘というものは案外当てになるものだな、と思う)

 

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参考HP

愛媛の鉱山跡

三津ヶ浜のげんたろう(その1)

2019 愛媛県今治市波方町馬刀潟ペグマタイト

今治西部地質調査総合センター

変種ジルコン

角川日本地名大辞典38愛媛県

北条海岸線ツーリング 沈む夕日、バイクと港(松山市北条)

松山市北部に位置する北条地区。

北条地区に広がる平野は「風早平野」と呼ばれている。

名前の由来は風が強い地域だったからという説があるが、どうも根拠のある説ではないらしい。

ただし、実際にバイクで走ってみると、松山では無風でも北条に入ると強い風が吹いている、なんてことが多い気がするのは気のせいか。

風早平野は西側が瀬戸内海に面していることもあり、夕暮れの景色が非常に美しい。

中でも「モンチッチ海岸」は、夕日を撮影するスポットして地元でも有名なスポットとなっている。

勿論、バイク乗りにとっても人気のある場所だ。

今回はそのモンチッチ海岸ではなく、河野川の河口付近から北条港まで、海岸沿いの小路をベンリィで走った。

沖に浮かぶ鹿島と夕暮れ時の美しい風景。

犬の散歩やランニング、釣りに興じている地元の人。

それらを邪魔せぬよう、ゆっくり静かにベンリィを走らせる。

観光地とはどこか異なる、背伸びをしていない光景が逆に美しく感じた。 

 

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